2006年05月13日
三島由紀夫『憂国』@キネカ大森
この『憂国』という作品は世界的に有名な作家、三島由紀夫の
原作/脚色/監督/主演/美術
というどこを切っても(!)三島印な作品。
全編28分、台詞無し、白黒、ワーグナーの音楽だけが流れる。
1966/04/12公開、ATG、東宝。
昭和11年、「2.26事件」が勃発し、、新婚のため決起に誘われなかった武山中尉は、自分の友人たちである事件の首謀者たちを殺すよう命令を受けてしまう。苦渋の選択の後、彼は自害を決意。妻との最後の愛を確かめ合い、切腹し、妻も後を追う。
三島由紀夫の死後、夫人によってすべてのフィルムが焼かれ、海外などで質の悪いビデオが出回っていたこの作品が上映されていたので見てきました。
能を思わせる余計なものを全く排除した白い舞台で、妻と中尉の愛と死が展開します。
三島の目指す美学が、小道具から演技・肉体・そして最期の演出に至るまで、張り詰めた緊張感で映像化され、30分足らずの作品でありながら濃厚です。
もちろん、彼は実際に自害してこの世を去ったという点から、この作品の生々しさは尋常ではないわけです。
ここまで独自の理想、美学をとことん追求し、それが芸術として熱狂的なファンを生んだ人も珍しい。
この度DVD化もされたようで、ちょうど同じ時期に出た妻夫木聡・竹内結子が共演した『春の雪』も一緒に買ってしまう人もいるかも。本当に、全く違う作品ですが。
三島由紀夫『憂国』@キネカ大森 on 映画感想 : 2006年05月13日 19:31
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.unoh.net/umt/unoh-mt32-ja-tb.cgi/1674



