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2005年10月09日

「ロード・オブ・ウォー」 ドライな残酷さ、そして本当に悪いヤツとは・・・

"Lord of War" on IMDb(まだ日本公開は未定のようです)

さすが、通のオススメ(=はせがわいずみさん、昨日のエントリー参照)だけあって、通向きの映画だと思いました。平日の夜10時半からの回を見に行ったら、観客は私一人。映写機を回す係の人が「あー、くそっ、コイツいなければもう帰れるのに!」と思っている気分が背後からヒシヒシ・・

監督はアンドリュー・ニッコール。ニコラス・ケイジがウクライナ出身の武器商人を演じています。彼は思いっきりロシア人に見えないのですが、とりあえずそこはスルーして、込み入った話の部分や感情を、彼自身がナレーションをしています。地のセリフよりも、ナレーションのほうが多いぐらいで、ずーっと一人語りのような形でスピーディーにストーリーは進んでいきます。

幼いころにアメリカに移民し、ニューヨークの場末、クイーンズ区の「リトル・オデッサ」で育った彼は、家族に隠れて弟と一緒に武器の国際取引の仕事を始めます。異常なほどの才能を発揮してのしあがり、美しい女優と結婚し、上り調子の頃、ソ連が崩壊。出身のウクライナなど、旧ソ連内共和国で膨大に余った武器を買いたたき、アフリカに流すことで、ますます商売を拡大していく。そんな中、彼を執拗に追う米政府武器取締官、麻薬に溺れる弟、何も知らない妻などが、徐々に彼の立場を追いつめていく。

これを見たあと、邦画「血と骨」を見ました。テイストも設定も違うけれど、主人公の性格が、なんだか似てるな~、と思いました。一言で言うと、「懲りないヤツ」。

それから、だいぶ前の映画になりますが、「グッド・フェローズ」というギャング映画がありましたが、映画のテイストはちょっとこれに似ていて、残酷なことをやっているのだけれど、お涙ちょうだい的な音楽も、大袈裟に場面を盛り上げる演出もなく、妙にビジネスライクでドライで、スカッと抜けたような軽さがあります。これは、いかにもニューヨーク風の早口で皮肉っぽい彼の語りのせいかもしれません。場面はウクライナだったり、リベリアだったりするけれど、どこまでいってもニューヨークの場末の雰囲気です。

ただ、最後のオチは、きわめてポリティカルです。(「本当に悪いヤツは・・・」)このあたりも、ニューヨーク的な政治風刺のテイストみたいに思いました。

ニコラス・ケイジは、それほど好きな役者でもなかったですが、これでちょっと見直しました。それと、弟役の人がよかったです。Jared Letoという俳優だと思います。ホントは繊細で純粋なのに、兄貴にこんな世界に引きずり込まれ、精神の安定を失っていくかわいそうな青年を演じて、悲しく澄んだ目が印象的です。

それにしても、またアフリカが出てくる映画を見てしまいました。なんか最近、多いな~・・よほど、欧米人にはこれがトラウマなんでしょうか。

「ロード・オブ・ウォー」 ドライな残酷さ、そして本当に悪いヤツとは・・・ on アメリカ映画 : 2005年10月09日 06:42

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