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ネットとシネマ、日本とアメリカの合流点から映画を語る



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2005年11月21日

「ホテル・ルワンダ」上映が決まった

しばらく気が付きませんでしたが、この間映画関係の記事を漁っていたら、「ホテル・ルワンダ」の日本公開が決まったというニュースを見つけました。来年のお正月に、シアターN渋谷で上映されるそうで、10月の初め頃に決まったそうです。

ホテル・ルワンダの日本公開を応援する会

たまたまこの夏、飛行機の中でこの映画を見て、その後またたまたま「ホテル・ルワンダの日本上映を求める会」(現在は上記の名前に変更)の存在を知って、私もネット署名をしました。この映画の上映が決まる経緯においては、この署名活動をきっかけに、配給会社メディアスーツが動いたそうです。

素人には伺い知れない、複雑な映画の世界ですが、こんなこともあるんですねぇ。ファンの力とネットの力を合わせて、何かを動かすことができる、ってこともあるんですねぇ。感慨深いです。

私の「邦画サイト」も、もっと頑張らなきゃ・・・

「ホテル・ルワンダ」上映が決まった on アメリカ映画 : 15:02 | コメント (2) | トラックバック

2005年11月10日

「蝉しぐれ」と日本人の美徳

蝉しぐれ

★★★★★[100点](0-100点)

現在、仕事で日本滞在中で、昨夜は念願の「蝉しぐれ」を見てきました。あまりの感動に、終わったあと何をすればいいのかわからなくなって、ぼーっとしておりました。

いろいろな要素の詰まったストーリーですが、あとで公式サイトで試写会を見た人のコメントを読むと、「忘れていた日本人のよさがここにある」といった言葉が多く見られました。息をのむほど美しい日本の春夏秋冬の風景とともに、「日本人の気高さ」を思い起こさせる映画なのだと思います。

この日本人の美徳とは、「自分の運命や置かれた環境を、たとえそれが不条理なものだったとしても、それをすべて受け入れ、その範囲の中で前向きに生きていく」ということだと思います。「矜持」という言葉も合うかもしれません。

それは、世上よく言われるように、現代の日本人が捨ててしまったものでは決してなく、ただ、日頃それを意識しないだけです。戦後の荒廃から立ち直ったのも、何度かの経済危機を乗り切ってきたのも、そして昨今不景気と言われながらも、他の多くの国のように犯罪や麻薬に染まっていくことがなく、東京の街がどんどんきれいになっていくのも、そのおかげなのだと思います。

「蝉しぐれ」の主人公・牧文四郎は、不条理に父を殺され、幼い恋の相手とも引き裂かれるが、すねたり、仇に復讐を試みたりせず、自分の役割をきちんと果たして精進を続けます。そして、想い続けた叶わぬ恋の相手を巻き込む、不条理な事態に直面しても、身を捨てて前向きに解決していこうとします。そして心をうつラストシーン。恋の相手、ふくもやはり、「矜持」をもって生きている美しい女性です。

こちらに来る飛行機の中では、前に見た「亡国のイージス」を上映していて、隣席の米国人男性がそれを見ていたので、「どう思いましたか?」とちょっと聞いてみました。いろいろな話をしたのですが、その中で彼は、「日本は世界に誇るべきものをもたない亡国になってしまった」というセリフを「日本人はそう思っているのかな、興味深い」と言ったので、「たしかに、そう思っている人は多いだろう。日本人は誇るべきものをたくさん持っているのに、それを意識していないように思う。」と答えました。

そして、「亡国のイージス」の中では、上官の不可解な総員離艦命令に整然と従うクルーを見ながら、敵役の某国スパイが「さすがは日本人、実に素直な民族だ」とせせら笑う場面があります。なるほど、この美徳は皮肉な見方をすれば、そういうことになるかもしれません。

でも、やはりそれは違います。唯々諾々と従うだけではなく、前向きに生きていく知恵と力があるのだと思います。そして、それは今も昔も、世界に対して誇るべきものであると思います。

映画としては、戦闘場面にややツッコミどころがありますが、市川染五郎さんの刀さばきや佇まいのあまりの美しさと、匂い立つような色気にボーナス点をつけて、満点とします。「たそがれ清兵衛」で新時代を迎えた日本の時代劇は、もう後戻りができないものになったようです。真田さんや、市川さんのような、美しい刀さばきと佇まいをもった、時代劇のできる役者さんがどんどん増えてほしいものです。

Posted by michi on 2005/11/10 with 映画生活

「蝉しぐれ」と日本人の美徳 on 邦画セントラル : 06:43 | コメント (0) | トラックバック

2005年11月07日

「ホワイト・カウンテス」とカズオ・イシグロ

先日はほとんど真田さんの話だけで終わってしまいましたので、映画「ホワイト・カウンテス」について、少々書き加えます。

戦前の上海だとか、スパイだとか、きなくさいキーワードばかりが聞かれる映画ですが、要するにラブ・ストーリーでございます。それも、思いっきり華麗で叙情的な、大人の恋の物語です。それに、主人公二人にそれぞれまつわる、周辺の人間関係のドラマが組み合わさっています。最近、アメリカの映画は主要顧客層である若い男性向けの映画ばっかりなので、たまにはこういう、美しいラブストーリーを見たかった!途中、ややテンポが遅い感じがしますが、見た後の後味がよく、もう一回見たいと思います。

ジェームズ・アイボリー監督と、カズオ・イシグロ脚本のコンビというと、「日の名残り」という映画が有名です。イギリスのハイソサエティを舞台にした映画でしたが、これについて、先日取材したときも、また前に読んだ地元新聞のインタビュー記事でも、イシグロ氏はこんなことを言っています。

「この話の舞台は、本当にこんな世界があったのかあやしいのだけれど、皆がいかにも本当にあったんじゃないかと思うような、そういう時代と社会。ボクの書く小説や脚本では、そういった『皆がいかにも本当にあったように思う、空想の世界』というのが好きなんだ。」

その地元新聞(サンフランシスコ・クロニクル)の記事では、イシグロ氏の生い立ちについても書いてありました。両親はしばらくイギリスに駐在する予定で、イシグロ氏もいつか日本に帰ると思って「外国人」としてイギリスに暮らしていたのが、ある日「もう帰らない」ということになった。ある日突然、イギリス人にならなければならなくなった。日本を離れて長年経ち、日本語もできない彼は、どちらにも帰属意識がないまま、放り出されてしまったのだそうです。

「ホワイト・カウンテス」は、舞台は上海ですが、主要登場人物はすべて異邦人たち。トッド・ジャクソン(レイフ・ファインズ)は元アメリカの外交官。暴動に巻き込まれて家族も視力も失っています。ソフィア・ベリンスキー(ナターシャ・リチャードソン)はロシアの亡命貴族。家族を養うため、酒場の酌婦に身を落としています。松田(真田広之)は日本のスパイ。これに、同じくロシアから逃げてきたソフィアの娘と家族、ユダヤ人の隣人などもからみます。

美しい過去の記憶や抜け殻を引きずった人々が、地元の社会から浮遊したような異国の地で、心の底にうずく痛みをかくして日々生きている。私自身が、異邦人としての暮らしが長いこともあり、こんな異邦人の一種の浮遊感、孤独ゆえの軽さ、痛みと甘さの同居した奇妙な感覚、などなどは、妙に心惹かれるものでもあります。もしかしたら、イシグロ氏も、こんな「異邦人感」への共感があったのかしら・・と思ったのですが、時間がなくて、そこまで聞くことができませんでした。

イシグロ氏は、お父さんとお祖父さんは、1930年代に上海で暮らしたことがあり、この時代の上海に特に興味を持っているのだそうです。異邦人達の織りなす、つかの間の華の時代と場所。

ジェームズ・アイボリー監督の映画で、爆弾が飛び交ったり群衆が逃げまどったりするようなものは初めてだそうで、そういう意味でもロジスティックス的にいろいろご苦労があったそうです。

それにしても、松田とジャクソン・・・・腹に一物ありそうな、あやしい松田とその不可解な行動。謎なのです。私には、その謎を、真田さんは後半のある場面、短い無言の表情で、見事に説明してみせたように思ったのですが、皆さんはどう思われるでしょうか。

いろいろと思い出しながら、「ホワイト・カウンテス」が公開されたら、もう一度見に行きたいと思っています。

「ホワイト・カウンテス」とカズオ・イシグロ on アメリカ映画 : 15:37 | コメント (0) | トラックバック

2005年11月02日

「ホワイト・カウンテス」記者会見--真田広之さんにインタビュー!

「邦画セントラル」の新米記者として、本番のセレブ取材に臨むチャンスが、意外に早くめぐってきました。10月17日、ロサンゼルスで行われた映画「ホワイト・カウンテス」の記者会見に出席することができたのです。レイフ・ファインズ、ナターシャ・リチャードソン主演、その次に重要な登場人物を真田広之が演じる、1930年代の上海を舞台にした美しいラブストーリーです。

記事の内容は、「英語メディア」として取材したため、日本語化できません。真田広之さんのインタビュー記事として書きましたので、下記をご覧下さい。

邦画セントラル 真田広之さんインタビュー

なんせ新米なもので、レイフ・ファインズみたいな世界的に知られた俳優とナマでお話するなど、緊張で震え上がってしまうだろうと思っていましたが、意外にすんなりとコトは運びました。多分、その一つの理由は、「俳優さんたちも、スクリーンの外では普通の人」だったということでしょう。記者会見といっても、数人の記者と俳優さんが円卓を囲む形式で、俳優さんたちもカジュアルないでたちで、リラックスして話をしていました。まぁ、こんなことは映画ライターの方には日常茶飯事でしょうが、私にはこの「落差」がとても新鮮で印象的でした。

そんな中で、真田さんは、噂に違わず、にこやかで、快活で、フレンドリーな素敵な方でした。寡黙な印象があったのですが、なんと身振り手振りゆたかに、英語で饒舌にまくしたてておられました。

記事を読んで頂くとわかるのですが、真田さんにとっては、「中国での日本人を演じる」ことに、特別な思いがあったということで、そのいきさつやお考えを詳しくお話されていました。「英語を上手くなりたかったら、コトバの技術より、まず何を伝えたいのか、中味をしっかりさせろ」とよく言われますが、まさにそのとおりだな、と思いました。海外のメディアに、伝えたいことがあふれている・・・そんな気持ちが伝わってくるようなインタビューでした。

「ホワイト・カウンテス」記者会見--真田広之さんにインタビュー! on 邦画セントラル : 02:33 | コメント (2) | トラックバック

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