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ネットとシネマ、日本とアメリカの合流点から映画を語る



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2006年6月22日

「Always - 三丁目の夕日」山崎貴監督インタビュー!

前回お知らせしましたとおり、ニューヨークでの「Always - 三丁目の夕日」山崎監督のインタビューを本館Hoga Centralに掲載いたしました!

Hoga Central

いろいろと面白いお話が聞けましたよ~。前回も書いた、舞台挨拶での「自分はVFX出身監督なので、すぐ裏口入社みたいに扱われるのがいやで、そろそろ一人前の監督として扱ってもらいたいんだけどなー・・・」発言は、インタビューでも飛び出しました。

キャスティングの話も、いろいろ伺いました。私のサイトには、個別の俳優・監督さんの紹介ページがあるのですが、そこで常にヒット数上位に出てくるのが小雪さん。「ラストサムライ」で固定ファンをつかんだ後、英語圏では全くニュースも出ないため、細々と小雪さんの新作情報やCM登場情報をアップしている私のサイトに、ファンの方が来て下さるようなのです。それで、キャストの話は、小雪さんを中心に伺いました。

昭和の雰囲気満載の映画の中で、現代的で洗練された雰囲気の小雪さんはやや異質の感じがしますが、どういったお考えで小雪さんを選ばれましたか?
「小津映画に出てくる原節子さんは、その当時の日本にはゼッタイいなかったような、"this is 女優"みたいな、日本人離れした雰囲気を持っていますが、そういった存在を狙いました。三丁目というユートピアに現れた異質な存在、そして彼女が街を歩くだけで人々が振り返るような、そんな立場の違いを表現したかったのです。」

日本アカデミー賞を独占されましたが、日本テレビがバックについていることで、「今回は間違いない」と思われていましたか?
「いいえ、よく聞かれるんですが、そういうことはないんですよ。日テレの人から、『取らせられるもんなら、取らせてやりたいけどなー』と聞いてました。日テレは決定の過程には関われないと聞いています。そうでないと、他のテレビが投資している作品がはいってくれません。ただ、従来はメンバー投票である程度絞ったあと、主要映画制作会社が集まって、あまり一作や一社に集中しないようにサジ加減をしていたのを、今年はそれをほとんどせず、投票の比重をすごく大きくしたらしいんです。その結果、逆に賞が集中してしまったらしいです。」

お得意のVFXですが、従来のSF作品とは違う今回の作品でご苦労されたことは?
「僕は、ド派手なSF的VFX大好きなんですが、どうも最近、そういうのは観客に飽きられてきたと思っていた。例えば、『キングコング』なんて、技術的にはすごいことをやっているんだけど、こういうのを今やる意味ってあるのかな?と思ってしまう。CGが主役になっていることが多いけれど、CGもそろそろ円熟して、いい役者にはなってきたけど、味のあるバイプレイヤーになる時期だと思うんです。

この作品は、CGじゃないとできないにもかかわらず、CGがキライな世代が対象で、そういう団塊の世代の人たちに『こいつだけは違う』といわせなければならない、というプレッシャーがありましたね。」

どういった作り方を?
「全体的にミニチュアを多く使い、それを撮影してサンプルとして使ってCGに合成することをやりました。セットも大掛かりで、家並みは東宝の一番大きいスタジオ、大通りは館林の使っていないセスナ飛行場を使いました。路面電車はCGですが、人が乗り降りするところは、博物館にあるホンモノ。

汽車が大変だったんですよ。阿部プロデューサーと日テレの奥田プロデューサーが、二人揃って『テッチャン』なもので、『この時代の集団就職の人たちはC62で来たんだから、どうしてもC62じゃないと、映画つくんないよ』って肩組んで言うんですよ。(笑)動くものが京都の鉄道博物館にあったので、その博物館に駅のセットを組んで、人が乗り降りするところを撮影しました。鉄橋の場面では、精巧なミニチュアを持っているマニアの人から借りました。古く見せるためにちょっと汚れをつけるんですが、きれいにして返そうと思っていたら、持ち主の人が気に入って、そのままでいいと言ってくれました。その方は、今自分の家に『Always』モデルのC62があって、映画で自分のミニチュアが活躍したといって、すごく喜んでくれました。」

この映画は、日本人のノスタルジアをかきたてますが、アメリカ人にはわからないのでは?という疑問をもつ人もいますが、どう思われますか?
「ちょっと心配してましたが、前にイタリアで上映して反応がよかったので、あまり心配していません。違う文化の人にも受け入れてもらえると思います。まぁ、わかんないですけどね。(笑)」

そして、監督のおっしゃるとおり、ニューヨークでもアメリカ人の観客にも大うけでした。上映後、レセプションでアメリカ人に、上記の点を聞いて見ました。そうしたら、「ディテールは日本独特なこともあるけど、全体的には、1950年代のブルックリン、と置き換えても十分理解できる。昔は生活がシンプルだった。それに、人が人を大切にすることや、家族の愛情や、そういったところは世界共通だと思う。」と答えてくれました。

「Always - 三丁目の夕日」山崎貴監督インタビュー! on 邦画セントラル : 10:35 | コメント (0) | トラックバック

2006年6月15日

「Always三丁目の夕日」ニューヨークで大好評!

今週から、ニューヨークでSubway Cinema主催のNew York Asian Film Festivalが始まりますが、そのキックオフとして、ニューヨーク・ジャパン・ソサエティと共同で、本日「Always三丁目の夕日」が上映されました。この作品は米国ではこれが初の上映で、場所は国連本部のすぐ近くにあるジャパン・ソサエティ本部。アメリカでは、マニア向けアート系の邦画ばかりがやってきて、こうした日本で大衆的人気のある映画が上映される機会がほとんどないので、貴重なチャンス。私は、わざわざ大陸を横断して、ニューヨークまで行き、上映会に出席しました。

ジャパン・ソサエティでも、しばしば日本映画の上映を行っていますが、今回は、当日になる前にチケットが完売、さらに当日券を求めて入りきれない人が建物の外に延々と列を作る、という、異例の事態でした。観客は、日本人が半分よりちょっと多い、という感じでした。

上映には、山崎貴監督も招待され、最初に舞台挨拶を行いました。「プロデューサーが昭和30年代にこだわりがあり、この時代を再現するには、自分しかいないと言ってきた。しかし、自分はもう監督作品も3作目で、そろそろCG技術者じゃなくて監督として見て欲しいと思っていたのに、やはりCG屋と見られていると感じて、ゼッタイにやるもんか、と思っていた。(笑)しかし、阿部プロデューサーにはその前に2作、自分の好きな映画を撮らせてもらっていたので、恩返しに仕方なく撮った。それが、前2作と比較にならないほど大ヒットしたので、自分としては複雑な心境。(笑)」と語って、会場は笑いの渦でした。

上映中も、前半のコミカルな部分は笑いの渦、そして最後のほうは、あちこちからすすり泣きが聞こえてきます。そして、本編が終わってエンドロールが始まると、今度は拍手の渦、席を立つ人がなんと一人もいません。クレジットの最後に監督の名前が出ると、再度大きな拍手で、立ち上がって拍手している人も多数。そして、全部終わって会場の明かりがついてもまだ拍手は鳴りやまず、仕方なく最前列に座っていた監督は、再度立ち上がって観客席に向かって何度もお辞儀をしました。それでもまだ誰も立ち上がらない。ついに、監督もどうしていいかわからず苦笑い、観客もそれに答えて苦笑いして、ようやく出口に向かい始めました。

ジャパン・ソサエティの人に聞いても、こんなことは今まで一度もなかった、というほどの反応だったそうです。私もその場に居合わせて、映画そのものももちろん泣きまくりましたが、この反響になんだか感激してしまいました。

なお、上映に先立って、監督にインタビューを行いました。インタビュー記事は、本館Hoga Centralにまもなく掲載予定で、こちらのブログでも、のちほどもう少し詳しくレポートします。

「Always三丁目の夕日」ニューヨークで大好評! on 邦画セントラル : 13:51 | コメント (2) | トラックバック

2006年6月12日

「カーズ」 壮大で贅沢なアメリカン・ノスタルジア

日本や欧州では、ワールドカップ・サッカーのために遅れて公開という話ですが、アメリカでは一部の学校では夏休みの始まったこの週末、ピクサーの「カーズ Cars」が始まりました。

金曜日の地元新聞の評価は意外に低く、「ん?」と思っていましたが、うーんなるほど、確かに子供向けの映画としてはちょっと長く(2時間10分)、中盤ちょっとお話のテンポが落ちてややダレ気味になります。ストーリーそのものは、自分のことだけしか考えない大スターのレースカーが、あるとき大幅に道からそれてしまい(文字通り・・)、思いがけない友人たちに助けられて改心する、という、ありがちなストーリーで、先日見た「森のリトルギャング(Over the Hedge)」のようなシャープなお笑い要素も少なく、その意味ではちょっとありきたりかな~、といえないこともありません。

でも、それを補って余りあるぐらい、アメリカ西部の岩山と砂漠の壮大な風景や、実写ではゼッタイに撮れない視点から映したスピード感あふれる自動車レース、インターステート・ハイウェイの両側を地平線まで続く果樹園やはるか高い岩山から流れ落ちる滝、レトロなネオンに彩られた1950年代風のノスタルジックな町並みなど、次々と展開する壮大なアメリカの風景が、実に贅沢で美しく、自動車たちのつや感や豊かな表情も合わせて、見る価値は十分あると思いました。最近すっかり多くなってしまった並み居るCGIアニメ群に対して、ピクサーが「技術力なら、自分たちに勝てる相手はいないぞ」と見せ付けているようです。

実際、この映画は、美しい景観があふれ人が温かかった古きよきアメリカに対するノスタルジーを、臆面もなく前面に押し出していると感じました。登場するのが、アメリカ文明の象徴ともいえる「自動車」というのも、それを強調しています。この手の巨額予算大作映画は、世界で売れないとモトがとれないために、どんどん「無国籍化」するという最近の傾向に、逆行しているというか、わざとそれに対するアンチテーゼを出していると言えるかもしれません。

子供向けとしてはややマイナスにもなりかねない、中盤のドラマにたっぷり時間をかけいるし、これほどの壮大なCGIってきっとものすごいお金かかってるんだろうなぁ、単に儲けようというのではないんじゃないか、作った人たちは、何を言いたくて、何をやりたくて、こうやってるんだろう・・とつい考え、その場限りのドタバタ劇やお笑いでなく、技術の限界とCGI独特の芸術性といった、スケールの大きい新しいものを何か追求しているのかな、とふと思ったのですが、買いかぶりすぎでしょうか・・・?

とにかく、この作品を見るなら、劇場で見ることをお勧めします。小さいテレビでDVDで見たら価値は半分以下になってしまいそうです。家で見るなら、大画面のテレビが必要でしょう。その意味でも、これってますますアメリカ向けの作品なのかも・・・

「カーズ」 壮大で贅沢なアメリカン・ノスタルジア on アメリカ映画 : 10:04 | コメント (0) | トラックバック

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