検索



 

« 「カーズ」vs.「森のリトルギャング」にみるハリウッドの苦悩 | メイン | 「Little Miss Sunshine」負け組家族の悲しくもおかしい物語 »

2006年08月16日

「あずみ」米国公開と「チャン・ツィイー症候群」

K&Y.jpg

2003年に日本で公開された異色時代劇「あずみ」が現在米国公開中です。(私はマスコミじゃないので、「全米公開」とはとても恥ずかしくて言えません。米国内数ヶ所で、ね・・・)

いつものように、はせがわいずみさんから素材提供を受けて、北村龍平監督と山本又一郎プロデューサーの米国公開にあたってのインタビュー記事を英語で書きました。私にとっては、意外というか、目を覚まされた感じの面白いお話が多くあり、なかなか削れなくて長くなってしまいましたが・・・

邦画セントラル「あずみ」インタビュー記事

この映画、日本でもそれほど大ヒットしたわけでもなく、「映画生活」のユーザー評を読んでも賛否両論というか、かなり辛口のものが多いように思います。実際、映画を見ましたが、確かに上戸彩をはじめとする刺客グループの演技や殺陣がダメだとか、ボウケンジャー」チックなキャラクターが唐突だとか、冗長なテンポの割りに話が急ぎすぎだとか、皆さんの批評に賛成なところも多かったです。

ただ、監督のインタビューを読んで、なるほど、と思いました。特に批判の多い殺陣については、確かに、この映画の企画が始まったのはおそらく2001~2年頃だと思いますが、まだ「たそがれ清兵衛」公開前で、そのあたりから始まった「時代劇再評価」の動きが始まる前のこと。10年だか20年だかにわたって、まともな時代劇映画、特に殺陣を必要とするようなチャンバラ映画というのはすでに作られることがなく、俳優さんたちも、殺陣の練習などする必要はなくなって久しかったわけです。特に、女優がチャンバラをできる必要など全くなく、下手にあちこち筋肉がボコボコつくようなアクションの練習など、好んでする人はいなくて当然です。(昔までさかのぼっても、「アクション女優」といえるような女優さんって、志穂美悦子さんぐらいしか思いつきません・・)だから、そのこと自体を批判しても始まりません。むしろ、だからこそこれを今やらなきゃ、アクション俳優も育たないし、いつまでたっても香港に勝てない、という監督の意気込みは、尊敬に値すると感じました。

それでも、やはり結果が出ないとお客さんは許してくれませんよね。アジア系アクション女優といえば、アメリカではなんといってもチャン・ツィイーです。というか、彼女が唯一、名前と顔の売れたアジア人女優です。だから、これも批判の多かった「SAYURI」の主役も彼女がやらされてしまうことになったワケですが、米国公開となると、「あずみ」のチャンバラも、きっと見る人は、彼女とついつい比べてしまうことでしょう。というのは、「あずみ」を見たいと思うファン層は、いわゆる「アジア・武術映画ファン」とくくることができ、ツイィーを見慣れている人たちだからです。これはキツイですよね・・・私が読んだ、新聞の短い批評でも、やはり上戸さんのアクションが槍玉にあがっていました。

偶然、最近借りて見た「SHINOBI」では、主演の仲間由紀恵さんが、ヘアスタイル・表情・衣装までなんとなくツィイー風にしていて、「げぇ~、そっくり!」と時々思ってしまったのは、偶然でしょうか???仲間さん、キレイでミステリアスで、好きでしたけど。

アメリカで、日本映画をかげながら応援したいと思う私ですが、日本映画というといまだに昔のチャンバラ・忍者アクションの印象が残って「アジア武術映画」にくくられがちというか、そこにわずかなニッチを見出さざるを得ないというのがいまだに現実。それができる俳優の層が薄くなっている日本で、チャン・ツィイーと競争していかなければならない、という厳しい現実があるんだろうな・・・と、北村龍平監督のインタビューを読んでいて思いました。

「あずみ」米国公開と「チャン・ツィイー症候群」 on 邦画セントラル : 2006年08月16日 01:56

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.unoh.net/umt/unoh-mt32-ja-tb.cgi/1846

このリストは、次のエントリーを参照しています: 「あずみ」米国公開と「チャン・ツィイー症候群」:

» LA Shorts 映画祭初日 from 映画監督 溝口友作
仕事の忙しい日でしたが無理矢理早退して、ロサンゼルス国際短篇映画祭の上映初日に行 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年09月09日 14:56

» 週末映画祭三昧 from 映画監督 溝口友作
ついにロサンゼルス短篇映画祭の週末が終わりました。(と言っても僕の作品の上映が終 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年09月12日 15:05

» LA Shorts 映画祭初日 from 映画監督 溝口友作
仕事の忙しい日でしたが無理矢理早退して、ロサンゼルス国際短篇映画祭の上映初日に行 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年09月13日 16:42

コメント

コメントしてください




保存しますか?


©1999-2007 Unoh Inc. All rights reserved.