ジャンクションより 
ネットとシネマ、日本とアメリカの合流点から映画を語る
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2006年12月31日
韓国映画業界の悩みと「邦画ブーム」
日本ではもう大晦日ですね。今年は、日本の映画業界は「邦画ブーム」に湧き、英語で日本映画のニュースをブログっている私にはとても嬉しいニュースが多かったのですが、最後に来て、期待を集めていた正月邦画がいくつか連敗してしまいました。
「2006年を振り返る」みたいな記事が年末たくさん出た中で、「邦画ブーム」について、「全体的にはよかったのだが、心配のタネがいくつかある」というコラムが、日経新聞などいくつかで出ていたのを読みました。「まぁ、こういう記事を書くときの定石の書き方だナ」と思っていたら、年末に期待作がいくつかコケたのを見て、うーむ、新聞記事も侮れない・・・と思い直しました。
それで、その話を英語の映画ブログに書いたところ、それを取り上げてくださった英語ブログがありました。韓国に住む英語系の方による、韓国映画や韓国ポップカルチャーに関するブログです。韓国映画は、売上げは伸びているものの、「心配のタネを宿した繁栄」である、との記事で、「日本でも似たような懸念があるらしい」ということで、私のブログ記事を参照してくださいました。原典は下記のとおりです。
ここに書かれている懸念とは、(1)少数の超大作のヒットで全体の売上げは増えているものの、中程度の作品はそれほど増えていない、(2)このため、劇場では限られた大作を取り合い、中小規模の作品が追いやられてしまう傾向が出てきた、(3)そのため、売上げで上位2作を除いた売上げ規模の変化を見ると、ここ3年で減少傾向がある、(4)にもかかわらず、作られる作品数は年々増えており、供給過剰の中で低品質の作品も増えている、といった趣旨です。ただ、こうした問題は、自然淘汰によって解決されていき、パイが大きくなった結果として「多様性」が増すことで、長期的にはよりよい状況になっていくと思う、とこの筆者(マーク・ラッセルさん)は書いておられます。
私の邦画に関する記事では、そこまできちんと分析していないし、また邦画はその段階までまだ達していないと思うのですが、私の記事の中では(1)供給過剰の懸念、(2)超大作に中小作品が押し出されてしまう懸念、(3)商売第一の中で、リスクを恐れて、続編などの無難なものが増える傾向、というのを指摘しており、はからずも韓国の状況と重なる部分がかなりあるようです。
日本映画に関しても、「日本映画制作者連盟」の統計データが出たら、このブログと同じ数量分析を試しにやってみようと思います。将来展望については、私など素人にはわかりませんが、このマーク・ラッセルさんのような(アメリカ人かどうかは不明なのですが)「アメリカ的な楽観主義」は大好きなので、私も日本映画に関しては、そう思っていようと思います。
韓国映画業界の悩みと「邦画ブーム」 on 邦画セントラル : 13:06 | コメント (1) | トラックバック
2006年12月 8日
今年のオスカーは日本勢が活躍するかも??
私は映画業界のインサイダーではないので、ウェブで見たり、映画好きの友人などからの話を総合して、という程度の話なのですが、今年はオスカーのノミネーションでは、かなり日本関係がからんでくるかもしれないな、という期待があるようです。
まずは、「硫黄島からの手紙」。ほぼ全編字幕になるため、「父親たちの星条旗」の影に隠れてしまうだろうと思っていたのですが、映画好きの友人によると、「星条旗」よりも業界の前評判は高いらしいのです。今年のオスカーの選考対象に入れるべく、本来は来年2月公開の予定を、ロスとニューヨークだけで12月中に限定公開することにしたのも、期待の表れかもしれません。
作品と監督のほか、主演男優として渡辺謙さん、そして、下馬評では「他を圧倒して目立つ」と言われている二宮和也さんが助演男優にノミネートされるかも・・・と言われているそうです。主演男優というと激戦になりますが、助演は外国人・マイノリティ・子役・老人役など、いろいろな人に門戸が開かれているので、いけるかもしれませんねー。
それから、↓でもご紹介した、「バベル」の菊池凛子さんが、助演女優ノミネートの予想があるそうです。これも、助演女優というのは毎年「穴場」で、比較的競争が少ないので、可能性があるかもしれません。凛子さんは、「オールヌード」の場面でつい目が奪われてしまうかもしれません(といっても、全然いやらしくなく、むしろ「ド迫力」です)が、聾唖で孤独の怒りを宿したティーンを、迫真の演技で演じておられます。がんばれ!
最後に、日本勢の得意分野であるアニメーション部門で、「パプリカ」。今年は「カーズ」や「ハッピー・フィート」などの大物が多いのに、「パプリカ」は選考対象に滑り込む目的の小規模上映しかされていないので、受賞はまず無理のような気がしますが、ノミネーションにははいるかもしれませんね。
いずれも、受賞までいくかどうかの可能性は全くわかりませんが、ノミネートされるだけでも嬉しいですよね。がんばれ!!
今年のオスカーは日本勢が活躍するかも?? on アメリカ映画 : 05:48 | コメント (0) | トラックバック
2006年12月 3日
アメリカ映画見本市レポート
こちらではお知らせするのが遅れてしまいましたが、11月の初めにロサンゼルスの美しいサンタモニカ・ビーチで開催された、アメリカン・フィルム・マーケット(AFM、映画の見本市)で取材したレポートを、慶応大学デジタル・メディア研究機構の英文ニュースレターに寄稿いたしましたので、ご興味のある方は下記をご覧ください。
今回は、一般的に低調と評されていましたが、日本勢は頑張ってずいぶんたくさんの作品を出品しておりました。私は、見たくてもなかなか見られなかった邦画をたくさん見られて、幸せいっぱい!でございました。ここで取り上げた、「DEATH NOTE」と「フラガール」が特に印象に残りましたが、このほか、「嫌われ松子の一生」や、まだ日本でも公開されていない周防正行監督の「それでもボクはやってない」なども好きでした。他にも見たいものがいっぱいありましたが、残念ながらスケジュールの都合で全部は見られませんでした。
私は映画そのものの専門家ではないので、映画の中味に関する評価はできず、記事はもっぱら、最近の日本映画の興隆ぶりと、その背景を、本職である「経営コンサルタント」の視点で、業界分析のつもりで書きました。私の知る限り、こうした話はあまり英文メディアでは見たことがないので、なるべく多くの海外の方に読んでいただけたら嬉しいと思っています。
それにしても、今日は日経新聞にまで「邦高洋低」という記事が載っていましたが、このところ洋画で見たいのがほんとに少ないですね・・・亭主が日本出張から帰ってきましたが、飛行機の中で洋画で見たいのが全然なく、日本や韓国の映画ばかり見ていた・・と言っておりました。アメリカの映画業界が低調なのも無理ありませんが、自動車や家電と違い、そういうときに「海外からの競争」というのが入ってきません。アメリカの映画業界は、あらゆる「非関税障壁」があるので、外国映画のはいる余地がほとんどないのです。これって、アメリカの産業にとってもあまりよいことではないのでは?と思っている今日このごろです。
アメリカ映画見本市レポート on 邦画セントラル : 04:28 | コメント (0) | トラックバック


