火星美人の銀幕征服計画 
映画大好き火星美人が、新作公開映画やDVDを本能のおもむくまま鑑賞。試写会に応募したり、自腹で劇場に通いながら、ショウビズ界を征服させていただきます。
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2006年10月24日
アメリカン正義
『オーメン』『スーパーマン』がリメイクされ、
まるでリチャード・ドナー・イヤーのようなここ最近、
ついに本人の最新作が登場しました。
と言っても、本国アメリカではとうの昔に公開されていて、
「いったいいつになったら日本でやってくれるんだろう」とクビを長くしていた私。
一時期は「短館レベルの公開?」とちょっとどきどきしたけれど、
ちゃんと全国公開に踏み切ってくれましたね
『16ブロック』です。
リチャード・ドナーといえば前述のシリーズの他にも
『リーサル・ウェポン』シリーズが有名。
私の人生で最高のアクション映画は『リーサル・ウェポン3』ですので、
この監督の名前を聞くだけでわくわくしてしまいます。
ちょっと最近は暗めの映画が多くて、評価が下がっていましたが、
今回は
家に帰ろうと思っていたアル中刑事ブルース・ウィリスに
一人の証人の護送が押しつけられる。
たった16ブロック(2キロ程度)を護送するだけの簡単な仕事だったはずが、
その証人は警察内部の違法行為を証言する証人だったため
ブルース共々警官たちに命をねらわれる羽目に。
元同僚から署長まで、だれが見方かわからない中の逃走劇で、
アルコールで濁っていたブルースの正義感に火が再び灯る。
とルーザー復活劇というアメリカ好みのストーリー。
ブルースのその境遇も、どこか『ダイ・ハード』だなぁ、と思っていたら、
そのまんまのような騙し合いのシチュエーションもあり、
かなりはらはらどきどき、展開に目が離せない映画でした。
最後はちゃんと胸がすかっとして、そしてほほえましいエンディングが待っている、ストーリーも好感度大。
リチャード・ドナー大復活という映画でした。
リチャード・ドナーの映画は、どの主人公も最初は悩みを抱えています。
でも、許せないような悪と出会ったとき、
その主人公は自らの危険を顧みず、平和のために立ち上がります。
そして傷だらけになりながら、命を危険にさらしながら、大切な人を守るのです。
妻を失って失望にくれるメル・ギブソンや、
自らの正体を明かせずに悩むクリストファー・リーヴ、
だれもがアメリカ人の正義を、最後は貫いていました。
だから、リチャード・ドナーの映画はおもしろい。
ただ残虐、激しいアクション、バイオレンスというだけではない、
正義の苦悩が描かれているからこそ、共感できるんでしょうねぇ。
『サンキュー・スモーキング』も、
それに似たところがありました。
どんなに困っていても、少し笑っているようなアーロン・エッカート扮するタバコ業界のロビイスト。
彼は多くの人の非難、そして放り込まれた逆境にもめげずに、
自らの信念を貫きます。
それは愛する息子のため。
弱音を吐かず、逃げず、笑顔で立ち向かう姿に、
アメリカの正義を感じられるはず。
こんな映画ばっかりがあふれていたら、きっと世界の子どもは道を踏み外すまい。
そう思わずにはいられませんでした。
ちなみに『サンキュー・スモーキング』は非常におしゃれで皮肉で、
「これぞアメリカ映画!」というすばらしい作品でした。
なんだか映画を見るのが楽しくなる、そんな映画です!
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2006年10月12日
3連休の過ごし方
先日の3連休。ちょっと仕事も落ち着いてきたので、映画を観まくってみました。
初日は『ワールド・トレード・センター』。
どこかで読んだ評判通り、
ビルが崩落してからはサバイバル映画そのもの。
特に政治的なメッセージを感じることもできず、
ちょっと息が詰まってしまったこともあり、就寝。
なんだかまぶたのウラにジーザスの御姿が見えるな、と思ったら
そういうシーンでした。
もう、海兵隊マニアが出てきてから感情移入が全くできなくて…。
実話って言うから、アメリカって…と思ってしまいました。
2日目は『ザ・センチネル~陰謀の星条旗』。
劇場にはキーファー・サザーランド目当てと見える奥様がずらり。
でも、確実にマイケル・ダグラスの映画ですよ、奥さん。
だって、キム・ベイシンガーとマイケル・ダグラスがキャスティングされてるんですよ。
ちょっとは察して下さいよ。
ということでこちらは「ちょっと長いな」と思いつつも、しっかり鑑賞。
いやぁ、手口が古いというか、今さらKGB?と…。
3日目がちょっとしたトライアルで
『夜のピクニック』『オトシモノ』『涙そうそう』『スケバン刑事』の4本立て。
実はワタクシ、邦画が苦手だったりします。なのに何の因果か、邦画4本立て。
まぁ、自己鍛錬と言うことで。
なにが鍛錬かというと、
シネコンで見たのですが、映画の間に休みがない。
時間の関係上、どれも5~15分かぶってしまって。
宣伝があるので本編には間に合ったのですが、
全く無休憩の4本トライアル。ちょっとつらかった…。
『夜のピクニック』は
アクのあるキャラを出しすぎで、元のストーリーがぼけすぎ。
主人公の二人が、一番特徴ないんだから(性格も顔も)
もっと目立つような配役にしないと。
あとは、説明不足が多すぎて、ちょっと混乱したところも。
これは「原作本も読んでね」ということかしら。
『オトシモノ』は、休みの日に行くものじゃないですな。
子供がワイワイ騒いでいて。
the ghost catsle entertainmentみたいに、
何でもかんでも祟りとか呪いとかにするストーリーはどうかと思うな。
上の製作会社はロバート・ゼメキスなどがバックアップしているので、
ちゃんとB級に仕上がってるんですが、
『オトシモノ』は説明不足に演技不足で、ちょっと見てられなかった…。
あと画面が白すぎて、せっかくの沢尻エリカも鼻からのシワが目立って、
高校生には見えなかったなぁ。
『シュガー&スパイス 風味絶佳』で目が離せないほどの存在感を感じた
その沢尻エリカが輝いていなかった。演技の準備時間もなかったんだろうなぁ…。
『涙そうそう』は
冒頭から中盤にかえての長澤まさみの輝きっぷりは、半端ないですね。
後半は暗すぎて、その笑顔が見れなくなったとたん、トーンダウン…。
お兄ちゃんが主人公だから仕方ないけど、
もっと「お兄ちゃんがいるから」と(おそらく友人も彼氏もほとんど作らなかったであろう)
控えめに過ごし続けたカオルの高校・大学時代を見てみたかった。
だと泣けたのになぁ。
最後にばあちゃんが語るシーンを蛇足に感じてしまったワタシは、
もう大人すぎるんでしょうか…。
『スケバン刑事』が最後に来るのは、ワタシ的にも断腸の思いでしたが
意外といけてました。特に最後の方は。
ただ、暗いし、ネタが古いなぁ。
松浦亜弥も石川梨華も、声が高いので迫力が出てない。
石川梨華はまぁ、最後のコスチュームのすごさで補ってたけど…。
松浦亜弥はアメリカ育ちなのに、「FUCk」っていうのが驚くほど日本語発音。
たぶん家の近くではその単語、言いまくってただろうに、
Fで下唇を噛まないなんてありえないなぁ。
ヨーヨーが回る時に、つい仮面ライダーを思い出してしまったワタシは、
もうおじさんなのかも知れない…。
3日間を通して最も印象に残ったのは
『ザ・センチネル』がレイトショーにもかかわらず、
子供連れが2組もいたと言うこと。それも小学校に上がる前の子をつれて。
字幕だし、キム・ベイシンガーだし、マイケル・ダグラスの映画だし、
分かるわけないし、教育上悪いし、なにより終わるの23時過ぎですよ。
子供も騒ぐし、いったい親は何を考えているんだろう…、と
アメリカの未来よりもその子の将来が気になったのでした。
折しも体育の日前後。すくすくと元気に、日中にはしゃげる子供に育って欲しいもんです。
大人になってから、夜に映画に行けばいいから。ね。
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2006年10月 1日
フラガール!
渋谷での南海キャンディーズ・しずちゃんのプロモにとどまらず、
非常に前評判の高い『フラ・ガール』を、期待を胸に鑑賞。
規模がどんどん縮小されていく炭坑の街を舞台に、
炭坑を愛するが故に新しいものを拒む人々と
炭坑を愛するが故に新しい変化を生み出そうとする人々の
心の交流を描いた感動作。
というと、堅苦しくて敷居が上がりそうなので、
「常夏のハワイアンセンターを作って町おこし!
そこの目玉としてフラダンスを町娘にさせてみたところ、
その過程ですんごくいい話ができたんだよね!」みたいな感じ。
笑って泣ける、ステキな映画なんで、ぜひ観てね!と軽く言いたい。
寿命の終わりを迎えた街と、そこを盛り返そうとがんばる人々。
オチこぼれ集団のがんばりと大活躍。
そんなキーワードを聞くだけで、一体いくつの映画のタイトルが頭に浮かぶだろう。
『天使にラブソングを…』シリーズに、『ブラス!』『フルモンティ』
『カレンダー・ガールズ』『スウィング・ガールズ』『キンキー・ブーツ』と枚挙にいとまはない。
これらの映画でイチバンの見せ場になる、といえば
やはり『天使にラブソングを…』の1なら最初の礼拝のシーン、
2なら法衣を脱ぎ捨てて曲調ががらっと替わるシーン
『スウィング・ガールズ』なら、主人公たちが立ち上がった瞬間だろう。
その瞬間、一気につま先から頭の先へ、鳥肌が駆け上がる。ぞわぞわっと。
そして同時に、胸がきゅっと締め付けられる。
見終わったあとに「よかったなぁ」とさわやかな気持ちになれる。
だからこれらの映画が何度もテレビでも放映され、多くの人に愛されるゆえんなのだろう。
そして、また形を変えて作り続けられる理由でもある。
今作『フラ・ガール』では、一体どこでその「鳥肌な」瞬間を味わえるだろう。
そうドキドキして劇場に足を運んだ。
もちろん蒼井優が最後に魅せるダンスシーンだろうな、とは予想して。
しかしその予想がちょっとずつ裏切られていく。
鳥肌に大切な「ダメダメグループが、ここぞで大活躍」という様子ではない。
確実に主人公たちは上達していく。
終盤近くには貫禄すらも漂わせる立派なフラダンサーになっている。
これでは、カタルシスが崩壊しない。
とちょっと焦ってしまった。
けれど、よく考えたらそれってあたりまえ。
だって、オープンに合わせて彼女たちは必死で練習を積んでいるんだから。
オープンを迎えた日、彼女たちは「プロ」になるのだから。
当然ダンスもその域に達していないといけない。
『フラ・ガール』は、彼女たちの成長を描く映画ではない。
いわきという炭坑の街の再興と、新しい希望の光を描く映画なのだ。
もちろん、映画の中でフラガールズはめざましい成長をする。
大きな夢を描き、今まで観たこともない未来の可能性も感じる、
そして同じ未来の明るさを街の人々の心へと伝えていく。
だからこそ、成長のゴールは「ハワイアンセンターオープン当日」ではなかった。
ていねいに用意された主要人物の見せ場ひとつひとつが、そのゴールに設定されているのだ。
豊川悦司が頭を下げた瞬間、
富司純子がリアカーを引く瞬間、
松雪泰子が涙を流す瞬間、
そして蒼井優が練習場で一人汗を流して踊りきった瞬間、
それがその登場人物に用意された物語のゴールであり、
「鳥肌な」瞬間でもある。
だからこそ始まって30分ほどで、劇場には涙の空気が流れ始めたんだなぁ。
そこからはもう、涙と感動の連続。
出てくる全てのキャラクターに見せ場が用意されているプロットは、見事。
なんといっても圧巻はオープン当日のダンスシーン。
ドラムの低音が腹に、胸に響き渡る。
そして、蒼井優のソロ。
スローモーションになった瞬間、求めていたのとはまたひと味違った、
「迫真の技」に対しての「鳥肌な」瞬間が私を襲ったのでした。
久々にいい映画を観たな、としっかりさわやかな気持ちになって劇場を後にできたのでした。
続々と邦画、それも感動作といわれる映画が公開されるこのシーズン、
すぐに他の映画に埋もれてしまわないかと、
とても心配になってしまう。
ぜひ劇場で多くの人と、『フラ・ガール』で気持ちのいい涙を流してもらいたいなぁ。




