2006年10月01日
フラガール!
渋谷での南海キャンディーズ・しずちゃんのプロモにとどまらず、
非常に前評判の高い『フラ・ガール』を、期待を胸に鑑賞。
規模がどんどん縮小されていく炭坑の街を舞台に、
炭坑を愛するが故に新しいものを拒む人々と
炭坑を愛するが故に新しい変化を生み出そうとする人々の
心の交流を描いた感動作。
というと、堅苦しくて敷居が上がりそうなので、
「常夏のハワイアンセンターを作って町おこし!
そこの目玉としてフラダンスを町娘にさせてみたところ、
その過程ですんごくいい話ができたんだよね!」みたいな感じ。
笑って泣ける、ステキな映画なんで、ぜひ観てね!と軽く言いたい。
寿命の終わりを迎えた街と、そこを盛り返そうとがんばる人々。
オチこぼれ集団のがんばりと大活躍。
そんなキーワードを聞くだけで、一体いくつの映画のタイトルが頭に浮かぶだろう。
『天使にラブソングを…』シリーズに、『ブラス!』『フルモンティ』
『カレンダー・ガールズ』『スウィング・ガールズ』『キンキー・ブーツ』と枚挙にいとまはない。
これらの映画でイチバンの見せ場になる、といえば
やはり『天使にラブソングを…』の1なら最初の礼拝のシーン、
2なら法衣を脱ぎ捨てて曲調ががらっと替わるシーン
『スウィング・ガールズ』なら、主人公たちが立ち上がった瞬間だろう。
その瞬間、一気につま先から頭の先へ、鳥肌が駆け上がる。ぞわぞわっと。
そして同時に、胸がきゅっと締め付けられる。
見終わったあとに「よかったなぁ」とさわやかな気持ちになれる。
だからこれらの映画が何度もテレビでも放映され、多くの人に愛されるゆえんなのだろう。
そして、また形を変えて作り続けられる理由でもある。
今作『フラ・ガール』では、一体どこでその「鳥肌な」瞬間を味わえるだろう。
そうドキドキして劇場に足を運んだ。
もちろん蒼井優が最後に魅せるダンスシーンだろうな、とは予想して。
しかしその予想がちょっとずつ裏切られていく。
鳥肌に大切な「ダメダメグループが、ここぞで大活躍」という様子ではない。
確実に主人公たちは上達していく。
終盤近くには貫禄すらも漂わせる立派なフラダンサーになっている。
これでは、カタルシスが崩壊しない。
とちょっと焦ってしまった。
けれど、よく考えたらそれってあたりまえ。
だって、オープンに合わせて彼女たちは必死で練習を積んでいるんだから。
オープンを迎えた日、彼女たちは「プロ」になるのだから。
当然ダンスもその域に達していないといけない。
『フラ・ガール』は、彼女たちの成長を描く映画ではない。
いわきという炭坑の街の再興と、新しい希望の光を描く映画なのだ。
もちろん、映画の中でフラガールズはめざましい成長をする。
大きな夢を描き、今まで観たこともない未来の可能性も感じる、
そして同じ未来の明るさを街の人々の心へと伝えていく。
だからこそ、成長のゴールは「ハワイアンセンターオープン当日」ではなかった。
ていねいに用意された主要人物の見せ場ひとつひとつが、そのゴールに設定されているのだ。
豊川悦司が頭を下げた瞬間、
富司純子がリアカーを引く瞬間、
松雪泰子が涙を流す瞬間、
そして蒼井優が練習場で一人汗を流して踊りきった瞬間、
それがその登場人物に用意された物語のゴールであり、
「鳥肌な」瞬間でもある。
だからこそ始まって30分ほどで、劇場には涙の空気が流れ始めたんだなぁ。
そこからはもう、涙と感動の連続。
出てくる全てのキャラクターに見せ場が用意されているプロットは、見事。
なんといっても圧巻はオープン当日のダンスシーン。
ドラムの低音が腹に、胸に響き渡る。
そして、蒼井優のソロ。
スローモーションになった瞬間、求めていたのとはまたひと味違った、
「迫真の技」に対しての「鳥肌な」瞬間が私を襲ったのでした。
久々にいい映画を観たな、としっかりさわやかな気持ちになって劇場を後にできたのでした。
続々と邦画、それも感動作といわれる映画が公開されるこのシーズン、
すぐに他の映画に埋もれてしまわないかと、
とても心配になってしまう。
ぜひ劇場で多くの人と、『フラ・ガール』で気持ちのいい涙を流してもらいたいなぁ。
フラガール! on 自腹で征服 : 2006年10月01日 02:27
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.unoh.net/umt/unoh-mt32-ja-tb.cgi/1921
このリストは、次のエントリーを参照しています: フラガール!:
» 映画 DVD 気ままなブログに気ままに観に来てください。 from 映画 DVD 気ままなブログ
日本映画や海外映画、ドラマのジャンルを問わずに気ままにピックアップしています〜よかったらこれから見ようとしている映画やDVDの参考にしてください。 [続きを読む]
トラックバック時刻: 2006年10月01日 22:10
» フラガール from 気ニナルコトバ
フラガール(ふらがーる)はシネカノン制作・配給の、2006年9月23日全国公開した日本映画です。 [続きを読む]
トラックバック時刻: 2006年10月04日 23:25
» フラガール from Beauty
これは書いておかなければ。先日、映画「フラガール」を観ました。深夜番組「虎ノ門」で辛口の井筒監督が満点3ツ星をつけた映画だったので観たくなったので観にいっ... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2006年10月12日 10:44
» 「フラガール」人生の決断のとき、どうせなら笑って from soramove
「フラガール」★★★★オススメ
松雪泰子、蒼井優 主演
李相日 監督、2006年
炭鉱の町に持ち上がった
ハワイアンセンターの建設
... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2006年10月16日 21:56




