ここでしか語れない裏話
原作者 こうの史代さん インタビュー (1)
こんにちは、管理人のサクラです。
全6回にわたる佐々部監督インタビューはいかがでしたでしょうか?
コメントをお寄せいただいた皆さま、どうもありがとうございました!
さて今回からは、4回にわたり、原作者・こうの史代さんのインタビューをお届けします。
1回目は、“原爆”をテーマにした作品を描くことになった動機について、お話してくださいました。
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「“原爆”をテーマにした漫画を描くことに、最初はためらいがあったそうですね」
ええ。編集者の方からご提案をいただいたんですが、最初は嫌だなぁと思いましたね。私にとって、原爆は、語りづらいテーマだったんです。

(C)こうの史代 双葉社
私は広島出身ですが、原爆が投下された昭和20年には生まれていないので、実体験したわけではありません。
また、被爆2世でもないので、身近で被爆した方を見てきたわけでもありません。つまり、原爆を知らない者が、原爆を伝えることになるわけですから、そこには限界があると思っていたんです。体験していない者が、正しく伝えられるわけがないだろうって。
文献を見ても、「その悲惨さは、語るに語れない」というようなことしか書かれていないし、体験された方のなかにも、「あのときのことは、思い出したくも話したくもない」という方もいらっしゃいますから、それをあえて知ろうとすることさえも、失礼になるんじゃないか、他人の心に土足で踏み込むことになるんじゃないか、と思っていたんですね。
けっきょく、原爆のことを知らない私が描いた作品を、実体験した方がご覧になったとき、「原爆はそんなもんじゃないよ」と思われるのが怖かったのかもしれませんね。
「ではなぜ、原爆について描いてみようと決心されたのですか」
取材をすすめていくなかで、気づいたことがありました。それは、原爆を体験された方々は、その体験を思い出したくないからといって、決して伝えたくないわけではない、ということです。
原爆に関する文献を見ていると、死の街と化していた広島が、人々の手によって徐々に復興されていく様子が記されています。広島の人々は、心からこの街を愛し、まるで自分の子どものように写真を撮ったり文章にしたりして、復興の様子を綴っている。それを見ていると、復興を支え、その記録を残してきた人たちの勇気はすごい、と感じたんです。
だからこそ、彼らが言葉にできない思いを、私たちが察する努力をしなくちゃいけないんじゃないかと思いました。彼らの代わりに伝えられるものがあるならば、勇気を持って伝えようと思ったんです。間違っていれば、そこで指摘を受ければいいわけですからね。
「広島出身者としての、使命感のようなものが湧き上がってこられたのですね」
そうですね。東京で生活をし始めてから気づいたのですが、東京では、8月6日の原爆記念日に、黙祷をしない方が多いんですよ。みなさん、辛うじて原爆記念日だということを知っている、といった程度ですね。上京したてのころは、それがとっても意外でした。
でも、よく考えてみると、みんなお互いさまなんですよ。だって、つい3年ほど前までは、私も長崎の原爆記念日である8月9日には、黙祷をしていなかったですから(笑)
私が8月6日に黙祷をしていたのは、広島が私の故郷だったから。他県の方が黙祷をしないのは、薄情だからというわけではなく、きっと原爆について知識を得たり、考えたりする機会が少ないんだろう、と思うようになりました。
だから私自身も、この作品を描くにあたって、もう一度しっかりと原爆について調べて、考えてみようと思ったんです。
=続く=
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コメント (1)
父の兄…すなわち私の叔父に当たる人は、中国で戦死したそうです。遺骨も遺品もありません。 そのせいかどうか、毎年終戦記念日には、父が自ら「すいとん」を作って、ウチは東京なので、東京大空襲の話を聞かされました。
高校の時は、担任がヒロシマで被爆していることもあり、九州への修学旅行の前には(ナガサキへ行くので)、その時の話を聞きました。
だから、私は8月6日、9日、15日は自然と黙祷をしてきました。
そういう環境に育ったことを、今は感謝しています。
投稿者: かりゆしまや | 2007年6月14日 20:06
日時: 2007年6月14日 20:06